愛ある寝かしつけ*ネントレ1*
「……また泣いてる」
第一子を無事産んだ私は、お腹の痛みというか
穴とアナの痛みと闘いながらの育児生活をスタートさせた。
ただ事ではない。
命からがら、母の骨を拡げ、もう一方のアナを押しのけるんだ。
私の穴は裂け、縫合され、もう一方はそこよりも腫れ、5センチは腫れている感覚。
トイレは以ての外、座る、歩くがこんなに辛いのに
泣いている赤ちゃんをどう世話すれば良いのか。。。
それは根性と愛情。
赤ちゃんだって、酸欠状態で必死に出てくるんだ。
母だけが大変なわけではない。
そんなこの息子のちょっとした訴え位聞いてあげる。
「いち〜?どうしたかな?」
えんえんしゃくりあげるいち君の
今にももげてしまいそうな首を
まだ頼りない華奢な腕にもたげさせた。
自慢の華奢な二の腕が、今まで散々「私には縁が無いんじゃないか」とせせら笑っていた、たくましいが広く潰れるものに変わるのは、この半年後だ。
さて、我が子に声をかけるも
自身が知っているルールも、このクリニックからの母子同室にあたっての指示もこれだ。
泣いたら……
●オムツを替える
●おっぱいをあげてゲップをさせる
のみ。
他に渡された物は、おっぱいマッサージの図解と赤ちゃんの日誌で、
何時に何をしたか
飲んだミルクはどれだけか
おっぱいは左右でどれだけの時間飲ませたか……だ。
もちろん、殆どの妊婦が手に取ったんじゃないか、某赤ちゃん雑誌も目を通した。
だから、先輩ママの色んな手練手管読み込んだつもりでいたんだ。
だからね、自信あった。絶対に失敗しても、めげないって。
色んな方法を試して、我が子に合った育児が出来ると自負していた。
ほんの数分前までは。